ワシントン(CNN)
独自動車メーカーのダイムラーと子会社3社が少なくとも22カ国の政府関係者にわいろを贈ったとして米国の腐敗行為防止法違反に問われた裁判で、米首都ワシントンの連邦裁判所は同社に対し、1億8500万ドル(約175億円)の制裁金支払いを命じた。米司法省が1日に発表した。
裁判に提出された資料などによると、ダイムラーとドイツ、ロシア、中国の子会社3社は、各国の政府から自動車販売契約を取り付ける目的で、少なくとも22カ国で政府関係者に多額のわいろを贈り、その金の一部を米国の銀行を通じて取引したとされる。
ダイムラー側も、ロシアや中国などの政府関係者に多額のわいろを贈っていた罪を認めた。裁判記録には政府関係者がわいろを受け取っていた国として、中国やロシアのほかクロアチア、ギリシャ、ハンガリー、エジプト、インドネシア、ベトナム、イラクなどが列記されている。
リチャード・レオン裁判官はダイムラーに対し、刑法に基づく9360万ドルの罰金に加え、不正に得た利益の返還分として民法に基づき9140万ドルの支払いを命じた。
司法取引に基づき、ダイムラーが各国で行っていた営業慣行に起因する訴追はすべて取り下げられる。