2009年2月13日金曜日

ペプシより好調だけど見通しは弱気

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米コカ・コーラ(NYSE:KO)が12日発表した10-12月期決算は、純利益が前年同期比18%減の9億9500万ドル(前年同期は12億1000万ドル)だった。1株利益(EPS)は43セント(同52セント)。これには、リストラに絡む評価損や、ボトラーのコカ・コーラ・エンタープライゼス(NYSE:CCE)が計上した減損費用の出資比率(約35%)に基づく負担分が含まれている。評価損を除くと、EPSは前年同期の58セントから64セントに増加する。


売上高は2.8%減の71億3000万ドル。ユーラシアとアフリカで売り上げが12%減少したことが響いた。トムソン・ロイターがまとめたアナリスト予想平均は、売上高が75億2000万ドル、EPSが61セントだった。


北米での販売量は3%減少したものの、世界全体では4%増加し、多くのアナリスト予想を上回った。スティフェル・ニコラウスのアナリスト、マーク・シュワルツバーグ氏は、「同社の収益力は一部で懸念されていたほど、マクロ環境の影響を受けていない。同社のビジネスモデルは、こうしたモデルの衰退傾向がみられた10年前よりも状況が良くなっている」と指摘した。


コカ・コーラの10-12月期の純利益が市場予想を上回ったことは、世界的に個人消費が落ち込む中でも、販売好調を維持していることを示した。だが、売上高が減少したことで、ドル高がもたらしている新たな問題も明らかになった。


同社は利益の約8割を北米以外で稼いでおり、ここ数年はドル安の恩恵を受けてきた。しかし、10-12月期はドル高の進行が増収率を7ポイント、営業増益率を9ポイント押し下げる要因となった。09年1-3月期もその打撃を被る公算が大きく、ドル高は営業増益率を10-12ポイント押し下げる要因となる見通しという。


同社は3-4%の販売量伸び率、為替変動を除いたベースで「1けた台高め」のEPS伸び率を、長期的な目標としているが、ムーター・ケント最高経営責任者(CEO)はインタビューで、景気悪化の影響により、「1四半期か2四半期は達成できない可能性がある」ことを認めている。だが、長期的に見れば、依然としてこの目標を達成できると見込んでいる、と述べた。


また、新商品の投入やマーケティング、コスト削減、ボトラー会社との作業効率の向上によって、景気後退による影響が食い止められている、と説明した。同社は需要喚起に向けて、新たな天然甘味料を使用した低カロリーの「グラソー・ビタミンウォーター」などの新商品を世界で投入している。さまざまな容量のタイプをそろえ、消費者が飲み物の買い置きを増やすことを狙い、瓶入りと缶入りのものを発売中だ。このほか、サプライチェーン活動を統合する企業連合体の設立に向けて、世界最大のコカ・コーラボトラーであるコカ・コーラ・エンタープライゼスと協力してきた。


自動販売機の設置数の拡大や販売網の拡張、ブランド構成の改善のために、同社とボトラー会社が行っている巨額の投資が、同社を後押している、とケントCEOはコメント。「われわれは不況に突入した時よりも力をつけて、この厳しい状況を乗り越えるだろう」と語った。


12日のニューヨーク証券取引所(NYSE)で、コカ・コーラは前日比3.12ドル(7.56%)高の44.39ドルで取引を終えた。

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