2010年1月8日金曜日

僕もまだ大丈夫だと思いますが

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成22年(2010年)1月8日(金曜日)
       通巻2830号  
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 中国のバブル経済破裂は秒読み、と米国ヘッジファンドのベテラン
  ドバイショックの一千倍規模の激震が走るだろう
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 『不動産価格がバブルではない。信用供与の過剰が原因となるだろう』
 こういう予測を大胆にするのはNYのヘッジファンド社長のジェイムズ・チャオス(ヘラルド・トリビューン、上海発、1月8日)。

 曰く。「中国のバブル経済破裂は秒読みであり、それは「ドバイショック」の1000倍の規模か、それ以上の激震となるだろう」。 

 チャオスはエンロンの倒壊を予測したことで知られる。
かれはNYを拠点に「キニコス・アソシエーツ」という60億ドル規模のヘッジファンドを経営し、エンロンばかりか、TYCOの崩壊も言い当てた。

 筆者・宮!)はつねに中国経済は崩壊すると言い続けてきたので、ここで十万の援軍をえたような感じ。彼の分析の焦点が筆者とまったく同じである。

 つまり信用供与のフィクショナルな創造とは、家電、自動車の販売促進に政府補助金をつけて内需拡大の強制的一時的効果を上げたが、消費者の多くは信用供与が疑わしい所得レベルにあり、この信用供与が破裂するのは時間の問題。
 近未来の不良債権をみずから積み上げ、ともかく強制的威圧的に内需拡大をでっちあげているのが中国ではないのか。

もうすこし砕けた言い方をすると、低所得の人がタダ同然で新車を買わされ、半年は割賦を支払ったが後が続かない。
 供与した側は『貸しはがし』に移行する。或いは「もっと貸す」?

 チャオスの分析に異論が輩出し、中国はもっと成長する大丈夫と反論が渦まいている。
 袋だたきに近い。

 中国を持ち上げるチャンピオンはジョージ・ソロスの右腕だったジム・ロジャーズ。中国と組む巨大ファンド『ブラックストーン』のバイロン・ウィーン副社長も「かれの意見は印象的だが、中国はまだまだ大丈夫と思う」とインタビューに答えた。

 ――どうやら言論の自由な米国ですら、中国経済崩壊を論ずると孤立するようですねぇ。
  

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