1月11日(ブルームバーグ):アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国では住宅価格下落を受けて、住宅ローンなどのデフォルト(債務不履行)が増えているが、今まで物件の差し押さえに至ったケースはなかった。今回、英銀バークレイズがドバイにおける初の差し押さえの承認を裁判所から獲得したことで、銀行が法的措置に訴える上で障害が取り除かれる可能性がある。
イスラム金融のタムウィールも数件の差し押さえ請求が審理中で、住宅ローン債権の約3%がデフォルトに陥ると見積もっている。
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスの銀行業界アナリスト、アントワーヌ・ヤクーブ氏は「手続きが効果的だと分かれば、銀行はもっと積極的に法的措置に訴えるだろう」と話す。
銀行が保有するドバイの住宅ローン債権の残高は160億ドル前後。信用収縮と投機資金の流出で不動産価格が下落しており、ムーディーズは昨年9月、2万7000件の住宅ローンの12%が1年-1年半以内にデフォルト状態になるとの試算を示した。
銀行や不動産会社はこれまで、伝統や法的手続きの複雑さから、裁判所を通じた差し押さえ請求を避けてきた。バークレイズやタムウィールのケースで、デフォルトと差し押さえ、担保権実行のルールを規定した2008年不動産ローン関連法の有効性が示され、流れが変わる可能性がある。
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