1.問題を抱えた300億ドル超の住宅ローン関連資産を売却する。
★住宅ローン関連資産をローンスターファンドの関連会社に売却。売却価格は67億ドルである(額面総額はもともと306億ドルだった。しかし6月末時点の簿価は111億ドルまで減少していた)
★金融保証会社セキュリティ・キャピタル・アシュアランス(SCA)は、メリルとの37億4000万ドルの債券保証契約を解消し、その代わりに5億ドルをメリルに支払うことで合意に達した。メリルはこれにより、7-9月期に5億ドルの評価損を計上する見通し。ただし、ニューヨーク州保険局のディナロ局長が、この交渉を取りまとめるための仲介役となった。
2.普通株の発行で約85億ドルを調達する。(新株は22.50ドルで値決めされた)
★シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスは29日、メリルリンチによる公募増資に34億ドルを出資すると発表。ただ34億ドルにはメリルがテマセクに支払う補償金25億ドルを含んでいるとし、実際の追加資金は9億ドルになると言う。
(格付機関の反応)
ムーディーズ・インベスターズ・サービスはこの日、メリルの資産売却発表を受け、「A2」格付けを据え置くと表明。メリルリンチの財務リスク縮小に向けた前向きの措置であり、最も問題となっているエクスポージャーの大幅削減につながると判断していると評価した。
(アナリストの評価)
★ドイチェバンクのマイク・マヨ氏・・・メリルが他社に先駆けて、モノラインとの交渉により、資金を手に出来たことは朗報だ。ただし、メリル株の目標価格を31ドルから28ドルに引き下げる。
★シティグループ・・・住宅ローン関連資産をローンスターファンドの関連会社に売却したが、破綻価格ではなかった。これだけ大規模のCDOを処理できた最初のケースだ。ただし、メリル株の目標価格を65ドルから45ドルに引き下げる。
★オッペンハイマーのメレディス・ホイットニー氏・・・メリル株は、未だに純資産価値に対してプレミアム付で取引されており、まだ割高だが、大口資産の整理が進み、徐々に妥当株価に近づいている。投資判断は“アウト・パフォーマンス”で据え置いた上で、2008年通期予想一株あたり損失を当初の8.37ドルから10.50ドルに下方修正する。
ファンドは格安で買ったように見えるけど実はもっと格安。
資金の大半はメリル自身が貸し出しているらしい。
しかもその会社の資産は買った債券のみ。
ようはどぶに捨てたって事。
住宅が起き上がってくることはもうないと思って値上がり待ちをやめたんだろう。
住宅関連以外でも大口資産の整理が進んで自己勘定をやめたら僕も好感するとしよう。
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