米国の不動産市場で、ヘッジファンドが資金の新たな貸し手として登場してきた、とウォールストリート・ジャーナルが27日付で報じている。
米国の不動産市場では、クレジット市場危機で多額の損失を受けた銀行が貸し渋りに走った結果、開発プロジェクトが立ち往生するケースが目立っている。そこで、ヘッジファンドが新たな資金提供者として、存在感を増しているという。
資金提供者を求めているのは、不動産デベロッパーだけに限らない。クレジット市場での信用収縮が2年目に入る中、高層オフィスビルや店舗、ホテルなどの商業用不動産に投資したがっている投資家も、銀行以外の高金利の貸し手にすがらざるを得なくなってきているという。
こうした高金利の貸し手は、ハードマネーレンダー(hard-money lenders)と呼ばれ、金融当局の規制が緩いため、短期資金を高金利で融資することが可能となっている。従来、銀行が6%の金利で融資していた資金を、その約2倍の金利で貸し付けるケースもあるという。このハードマネーレンダーの一角をヘッジファンドが担い始めているのだ。
ヘッジファンドが不動産開発向け資金を提供する背景には、これまでの伝統的な資産運用から事業の多角化が図れることだ。米調査会社ヘッジファンド・リサーチのケン・ハインツ(Ken Heinz)社長は、「商業用不動産投資は、リスクの割にリターンが高いので、ヘッジファンドは格好の投資機会と捉えている」と指摘する。
実際、リスクという点では、「サブプライム住宅ローンの約30%が90日以上の返済遅延となっているのに対し、商業用不動産の場合、債務不履行率はわずか1%弱となっている」(ハインツ氏)というように安全度は高い。
また、別の背景には、不動産関連の資金需要の高まりがある。もともと、ハードマネーレンダーは、資金繰りに行き詰まった不動産開発業者や投資家につなぎ融資を行ってきた。だが最近は、銀行の貸し渋りを背景に、クレジット履歴が良い優良な借り手からの需要が高まっているという。
対照的に、これまで商業用不動産融資の70%を占めていた銀行の割合はほぼゼロになっている。
GSEのせいで金利が上がってしまったからヘッジファンドも乗り出せたんでしょう。
ヘッジファンドが金利で稼ぐってなんかセコイ気がしますがしょうがないのでしょう。
というわけでCMBSなんかの崩壊はすでに織り込まれていると思っていたわけですが
まだまだこれからのようですね。銀行が手を引いたのは正解だと思います。
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