2009年9月14日月曜日

なるほど

8月26日(ブルームバーグ):アンドルー・ウェスベッカー氏(29)は2006年、銀行やヘッジファンドにソフトウエアを販売するため、ニューヨークからロンドンに移り住んだ。そして今月、高い税金と縮小する金融界に背を向け、相次いで英国を脱出する米国人の1人となった。

米ティブコ・ソフトウエアに勤務するウェスベッカー氏は、英実業家で富豪のリチャード・ブランソン氏やモデルのエル・マクファーソンさんの自宅があるロンドン西部のノッティングヒルに居を構えていた。だが、「把握する限り、ここを離れる米国人はわたしが最後になってしまった。みんなが荷物をまとめている」。

英統計局によると、英国に居住する米国人は昨年9月までの1年間に3.8%減って12万6000人となった。減少傾向は恐らく今年も続いている。英産業連盟(CBI)の推計では、英金融業界が今年1-9月期に失うとみられる雇用は業界全体の4.3%に相当する約4万5000職。

米国人が帰国する理由は、年収15万ポンド(約2300万円)超の個人に50%の税率を適用する英政府の計画と雇用主による海外在住従業員向け手当の削減。これでロンドンの魅力が相対的に失われている。しかも約1年前に英政府は、在住期間が7年を超えた外国人に年3万ポンドの支払いを求め、従わなければ海外所得に対する課税免除の特別措置をやめる方針を示した。

CRAインターナショナルのコンサルタント、マーク・ティルデン氏は英在住の「外国人は雰囲気が変わったと感じている。歓迎度合いが低くなった。ロンドンが才能を引き付ける魅力は落ち込んでいる」と話している。

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