2009年7月31日金曜日

民主党に入れる人はいるんだろうか

麻生太郎首相(自民党総裁)は31日、党本部で記者会見し、衆院選に向けたマニフェスト(政権公約)を正式に発表した。子ども手当支給や高速道路無料化などを盛り込んだ民主党に対抗し、自民党は3年後の幼児教育無償化を段階的に実施するほか、低所得者の授業料無料化などを掲げ生活支援を競い合う形となった。各党のマニフェストはほぼ出そろい、18日公示-30日投票の衆院選に向けた政策論争が本格化する。【野原大輔】

 自民党はマニフェストを「安心」「活力」「責任」の三つに分類。成長戦略は活力分野の冒頭部分に表記し、「大胆かつ集中的な経済対策で、2010年度後半に年率2%の経済成長を実現する」と宣言。「10年で家庭の手取りを100万円増やし、国民所得を世界トップクラスに引き上げる」ことを目指す。民主党は「中小企業の法人税率11%の引き下げ」などを掲げているが、自民党は「経済の成長政策が欠如したまま、お金を配ることだけに着目している」(麻生首相)と批判を強めている。

 安心分野では、11年度までに消費税率引き上げの道筋を示す法制上の措置を講じ、「堅固で持続可能な『中福祉・中負担』の社会保障制度を構築する」としている。民主党は消費税率引き上げを凍結しており、自民党は財源問題への取り組みを強調している。

 また、子育て支援の強化を打ち出し、3~5歳の幼児教育の無償化や、返済義務のない奨学金制度の創設を打ち出した。さらに、育児のためいったん離職した女性の再就職に積極的に取り組む企業の支援制度創設を盛り込んだ。民主党は中学卒業まで月2万6000円の子ども手当や公立高校の授業料無償化などをうたっている。

 責任分野では、北朝鮮のミサイルや核への脅威などから、安全保障体制の強化を強調した。集団的自衛権の一部行使を念頭に「同盟国の米国に向かう弾道ミサイルの迎撃などが可能になるよう、必要な安全保障上の手当てを行う」などと明記。外交・安全保障分野の具体策を示していない民主党との違いを鮮明にしている。活力分野では、道州制導入を17年を念頭に目指すことや、国と地方の代表者が協議する機関の設置の法制化も盛り込んだ。

 一方、自民党のマニフェストは政策に必要な財源を巡り、消費税を含む税制の抜本的改革について「経済状況の好転後」とするにとどめ、引き上げの時期や上げ幅は示さなかった。31日の記者会見に同席した自民党の園田博之政調会長代理は「(当分の間は)国債発行はやむを得ないのではないか」と述べており、選挙戦での主要争点となる。

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